インフォームドコンセント

関節リウマチの治療目標については、患者様と病気と治療について十分納得したうえで治療を行うことが必要です。その為、「関節リウマチという病気について」「薬の効果や副作用について」をご理解頂けるように行っております。

 

さらに、患者様が、関節リウマチと、どの様に付き合って、どのような生活をおくりたいのか等を理解し、適切な選択肢を提示できるよう、家族を含め、支援する活動を行なっています。
できる限り、多くの患者様には医療費や社会的なサポートを最大限に考慮しつつ、根気よく治療を続け、中断せず寛解にたどり着けるように全力でサポートを致します。

薬治療

薬の効果は100%期待できるわけではないですが、副作用に注意しながら使います。
 従来、中心的に使われていたのが非ステロイド性抗炎症薬(いわゆる痛み止め)です。現在は脇役的存在となりました。鎮痛効果や腫れや炎症を抑える薬です。
 次に、ステロイド薬ですが、こちらは、炎症、疼痛、こわばりなどに対して即効性と確実な効力があります。しかし、これを長期に大量に使ってもリウマチ自体を治すわけではなく、骨粗鬆症や糖尿病、胃腸障害の発生等の問題があります。
 現在、治療薬として中心的な役割を果たしているのが、メトトレキサートなどの抗リウマチ薬です。メトトレキサートが現在のリウマチ治療の主体となっていますが、腎機能が著しく低下している人、B型・C型肝炎の患者さんには原則として使えません。

手術

関節破壊が進行し、関節機能が著しく低下した関節に、人工関節置換術や関節固定術を行います。
また、現在では、生物学的製剤等を使用したことで、かなりの症状をコントロールできたものの、局所的な痛みが治らない場合、日常生活レベルを改善する目的で、手術を行います。

リハビリ

破壊されて変形して固くなった関節を、リハビリによって機能障害を改善(動かしやすく、体幹を保持する)していきます。理学療法、作業療法、装具療法があります。
当院では、リハビリ設備を充実させ、入院中の患者様はもちろん外来患者様も手厚いリハビリ行っています。
 単に患部への温熱療法にとどまらず、理学療法士が患者様一人一人の体調や病状にあわせて、医師・看護師・理学療法士間で定期的なカンファレンスを行い、短期目標・中期目標・長期目標を設定して、リハビリを実施しています。

当院の治療体制

道後温泉病院の先生を迎え、リウマチ外来を実施

 

日本リウマチ財団登録リウマチケア看護師 3名
日本リウマチ財団リウマチ登録薬剤師   1名

今後の治療

私が医師になった1991年頃から、ほんのつい最近まで、関節破壊や機能障害の進行を遅らせることが、患者様そして医師にとって現実的な目標でした。
 しかし、今は研究が進み、メトトレキサートという薬が関節リウマチの基本的治療薬となりました。さらに、我が国では2003年から使用可能になった「生物学的製剤」いわゆる「バイオ製剤」の登場によって大きくリウマチ治療が変化しました。現在、7種類の生物学的製剤が使用可能ですが、メトトレキサートとこれらのバイオ製剤、あるいは単独で使用することで、関節の破壊を阻止し、寛解を達成することも可能になってきました。そのためにも、できるだけ早期に治療を開始することが大事です。
 関節が壊れたら、手術で対処できる、と考えていた時代もありました。今はできるだけ早期に診断し、治療方法については患者様と十分相談して決定し、治療の目標についても定期的に見直していきます。

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